松戸駅から江戸川に行くとなるとほとんどの人は西口ロータリーから駅前大通りを直進して松戸市立図書館本館を通り過ぎ、突き当りの江戸川堤防交差点から土手へというコースを辿るでしょう。徒歩12分・距離で約740mです

江戸川堤防交差点から土手に上って見える景色は、下の13秒動画となります
「見えない江戸川」江戸川堤防交差点(13秒動画)
こちらは昨年10月の12秒動画
そうです。
土手から江戸川を見ることができません。
背の高い木々に阻まれて江戸川を見ることができません。
念の為、画像で見ると以下のようになります。
2025年5月27日の江戸川堤防交差点からの風景






これは平成10年度に完成した流水保全水路(ふれあい松戸川)によるものです
当初これらの木々は植樹によるものかと思っていましたが植物を植えたりせず自然の力でこうなったそうです
しかしどうしてメインが江戸川からふれあい松戸川になってしまったのか
古ケ崎河川敷スケートボードパーク横からやっとのことで江戸川を望む

流水保全水路(ふれあい松戸川)
流水保全水路の3つの目的
流水保全水路(ふれあい松戸川)は、首都圏(東京、埼玉、千葉)の水道水源となっている江戸川の水を安全で良好な水質にするため、汚れのひどい坂川河川水を下流へバイパスする水路で、以下の3つの目的があります。
1.利水障害の解消
都市用水の取水が安全にできるようにします。
2.危機回避
有害な物質が江戸川に流出しないよう未然に防ぎます。
3.動植物の豊かな生息空間の創出
江戸川の水質改善を図り、生態系の保全創出を行います。
諸元等
完成年:平成10年度
総延長:約6km(開水路区間:約2.5km 坂川区間:約3.5km)利水障害の解消
平常時に坂川流域から江戸川へ流入する汚濁負荷を古ヶ崎浄化施設で捕らえ、江戸川河川敷から旧坂川を流下し、柳原水門から江戸川へ放流するもので、金町、栗山、ちば野菊の里の3つの浄水場をバイパスさせることで利水障害の回避に役立っています。危機回避
水質事故等の非常時に坂川流域から江戸川へ流入する有害物質を上記利水障害の回避のルートと同様にバイパス流下させることで、浄水場地点における危機回避に役立っています。
→国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所¥
松戸の知名度が一躍全国に広まったのは1976年ちあきなおみが歌った「矢切の渡し」を1983年に細川たかしがカバーして大ヒットしたことです(日本レコード大賞受賞)
矢切の渡しは江戸川の千葉県側の矢切と東京都側の柴又を結ぶ渡し船です
だいたいどんなところへ行っても松戸市を知らなくても矢切の渡しがあるところといえばわかってもらえるはず(今の若い子相手だと無理か?)
その江戸川が土手から見えない
自然任せでどんどん大きくなる木々のお陰で土手から江戸川を望むことができなくなりました。昔と比較したら景色は劇的に変化してしまった。
私の中の江戸川の原風景はもはや存在しない
国土交通省もここまでの樹木の成長をわかってやった工事なのでしょうか
土手といえば3年B組金八先生の荒川の土手のようなイメージなのに。。。
→3年B組!みんなが歩んだあの土手
確かに鬱蒼とした茂みが出来たことで野鳥や動植物は増えた
しかしこれに伴う弊害もいくつか出てきました。
1 ふれあい松戸川より上流の江戸川で人が流された、あるいは行方不明者が出たとしても江戸川の土手や川岸から捜索することが目視できないため不可能になった
(最近ですと2022年9月23日に江戸川で松戸市に住む小学1年生の女の子が流され死亡する事件が起こっています)
2 ふれあい松戸川自体に転落しても土手からの発見は不可能
3 松戸駅からたった徒歩12分のところでも子どもや女性が茂みに引きずり込まれるような事件が起きる可能性が出てきた。夕方以降の河川敷や土手の独り歩きはやめたほうがいいでしょう
(下の画像は江戸川堤防交差点から土手に上がったところ。河川敷を下りるスロープの先はこんもりとした森のようになっている)

4 マムシ注意の看板(葛飾橋上流200mくらいのところ)が立っている。
ふれあい松戸川全域が茂みに覆われているので数キロに渡りどこに出現してもおかしくなくなった。
松戸駅からたった徒歩12分のところで素足にサンダル履きが危険になってしまった
(昔はマムシがいるということはなかった。河川敷も狭くコンクリート護岸でその先がテトラポット。草丈も高くないので隠れるところがなかった)

5 そもそも論として昔の江戸川の風情がなくなってしまった
下の画像は今年の春に柳原水門へ桜を撮影しに行ったときのものです。
土手から江戸川を見るなら下の北総線の鉄橋下流のように江戸川を見渡せる景色がいい
江戸川の原風景を望むには矢切の渡しより下流までいかないといけなくなってしまった

最後に江戸川を詠んだ短歌をご紹介します(詠人はわかりません)
目を閉じてこれらの歌を聞いたなら美しい江戸川が目に浮かびます
江戸川 流れゆく水面に映る 故郷の空 いまも恋しき
川風に 柳なびきて 夏の午後 江戸川べりに 物思いけり
夕焼けに 赤く染まる 江戸川よ 明日もまた君と 歩む散歩道
遠き日に 友と語りし 川の辺の 江戸川の音 今も耳に残る
春の日に 桜舞い散る 江戸川を 舟漕ぎゆけば 心和むかな