松戸市立総合医療センター、別棟建設を中止へ。病床削減と「縮小路線」への大転換(2/10 経営改革委まとめ)

松戸市立総合医療センター

2026年2月10日、松戸市立総合医療センターにて「第2回 松戸市病院事業経営改革委員会」が開催されました。

これまで「機能強化・多機能化」を掲げてきた松戸市の病院事業ですが、今回の委員会では「拡大から縮小へ」という明確な方針転換が示されました。物価高騰や人件費増など、病院を取り巻く環境の激変を受け、抜本的な見直しが行われます。

会議で明らかになった重要ポイントは以下の3点です。

1. 別棟(緩和ケア・ドック棟)の建設中止

これまで計画されていた、総合医療センターの隣接地への「別棟」建設が中止される方針が示されました。

  • 理由① 建設費の高騰: 当初約25億円と見込んでいた建設費が、約41億円まで膨れ上がったこと。
  • 理由② 代替案の存在: 緩和ケア病棟の需要は地域である程度満たされており、将来的に福祉医療センター跡地にできる新病院でも機能が補完できる見込みであること。
  • 今後: 別棟に作る予定だった「外来手術室」については、既存の建物を活用して拡充する方針に変更されます。

2. 病床数を約80床削減(600床→519床体制へ)

これが今回の最大のトピックと言えます。これまでの拡大路線を改め、「身の丈に合った小回りの利く規模」へと舵を切ります。

  • 規模縮小: 現在の600床規模から、段階的に519床規模へと縮小します。
    • 一般病棟:▲46床
    • 小児病棟:▲10床
    • ICU(集中治療室):▲8床
    • 救命救急センター:▲8床
  • 人員削減: 病床削減に合わせて、職員数も適正化(削減)されます。

3. 経営形態は「市の直営」を維持(当面の間)

議論されていた「民営化」や「独立行政法人化」については、一旦見送られました。

  • 理由: 救急医療や小児医療など、採算が取りにくいけれど市民に必要な「政策医療」を確実に守るため。
  • 財政支援: 経営再建のため、松戸市一般会計から年間約40億円(2026〜28年度)もの繰入金(支援)が行われる計画です。
  • 今後: ただし「ずっと公営」と決まったわけではなく、2027年度の中間見直しで経営状況を評価し、その結果次第では「指定管理者制度」や「民間譲渡」も含めた検討を行うという条件付きです。

まとめ:持続可能な医療体制へ

今回の委員会は、赤字経営からの脱却を目指す現実的かつ厳しい判断が下された場となりました。「ハコモノ(別棟)を作らない」「ベッドを減らす」という決断は、市民の負担(税金投入)を抑えつつ、必要な医療(救急・小児)だけは死守するというギリギリの選択と言えそうです。

この「第4次経営計画」は年度内に策定され、3月の市議会でさらに詳細な報告が行われる予定です。


参照データ

  • 日時: 2026年(令和8年)2月10日 10:00〜
  • 場所: 松戸市立総合医療センター 2階大会議室
  • 議題: 第4次経営計画(案)について
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