松戸市役所移転問題 その1

松戸市役所(松戸市根本)

松戸市の市役所移転問題は、建物の老朽化と耐震性不足をきっかけに、「現在の場所で建て替えるか」「新しい場所へ移転するか」を巡って長年議論が続いてきた問題です。

2025年6月の市長交代により方針が大きく転換され、現在は「これまでの移転計画を白紙に戻し、再検討する」という新たなフェーズに入っています。

これまでの経緯と最新の状況をわかりやすく整理します。

  1. 問題の発端(老朽化と地震リスク)
    松戸市役所の本館等は1959年(昭和34年)などに建設され、震度6強以上の地震で倒壊する危険性が高いと診断されています。東日本大震災(2011年)以降、建て替えの必要性が緊急の課題となっていました。
  2. 対立の構図(本郷谷 前市長時代:~2025年)
    前市長(本郷谷健次氏)の時代には、現地での建て替えではなく、約1.2km離れた「新拠点ゾーン(旧法務局などの国有地)」への移転が推進されました。

前市長側の主張(移転案):

防災拠点として広い敷地が必要。

現在の場所は狭く、仮庁舎の建設費用などが余計にかかる。

新拠点ゾーンの開発により、街の活性化を図る。

市議会・一部市民の反対:

「駅から遠くなり不便になる」。

「今の場所(松戸駅から徒歩圏内)がベスト」。

議会との合意形成が不十分なまま進められている。

【決定的な対立】 2023年(令和5年)、市議会は移転用地取得のための関連議案を否決しました。これにより、前市長が進めた「移転計画」は事実上の膠着(こうちゃく)状態に陥りました。

  1. 方針の大転換(2025年6月~現在)
    事態が動いたのは2025年6月の松戸市長選挙です。

計画の白紙化: 新市長は就任後、前市長時代に進められていた「新拠点ゾーンへの移転計画」を正式に白紙撤回しました。

現在の状況(再検討): 現在は「現地での建て替え」を有力な選択肢として復活させ、改めて「現地建て替え」か「移転か」を比較検討するプロジェクトチームが立ち上がっています。 また、現在の建物は危険であるため、2027年3月末を目途に一時的に仮庁舎へ移転し、その間に本格的な建て替え(または恒久的な移転先)の議論と工事を進める方針が示されています。

松戸市役所移転問題
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