
秋の深まりとともに、歴史や文化に触れるお散歩が楽しい季節になってきましたね。
今回は、松戸駅から歩いて行ける「戸定歴史館」で開催されている、歴史好き・旅行好き必見の展示についてご紹介します!
現在、戸定歴史館では「タイムスリップ・トラベル ー徳川昭武が旅した明治ー」という非常に興味深い展示が行われています。
なお写真撮影全てNGのため文面のみでの紹介になります
■ 徳川昭武のカメラと日記で明治時代へタイムスリップ!
旅行を趣味の一つとしていた徳川昭武は、行く先々で旅行日記を書き残していました。
また、明治36年(1903年)7月からは本格的に写真撮影を始め、カメラを旅行先に持参して各地で撮影を楽しんでいたそうです。
今回の展示では、昭武の日記や古写真を通じて、明治時代の日本各地へ一緒に旅行しているような気分を味わうことができます。
展示室に入ってすぐ右手に、明治38(1905)年8月の富士山登山の大きな写真が飾られていました。
そこには、徳川昭武公や強力(ごうりき)たちと並び、私の母校の創立者であり初代校長である松平頼寿(よりなが)先生の姿もありました。
昭武公の長女・昭子様が頼寿先生に嫁いでいることからも、義父として娘婿にことのほか目をかけていたのではないかと想像させられます。こうした一面は、現代の娘をもつ親と何ら変わらないのかもしれません。
(なお、別のコーナーには昭武公から頼寿先生へ宛てた手紙も展示されています)
展示は以下の4つの章で構成され、様々な地域の当時の様子が紹介されています。
第一章: 徳川昭武旅行日記(北海道、日光・四万・伊香保・富岡など)
徳川昭武は、旅行を趣味の一つにしており、行く先々の旅行日記を書き残しました。日記には、昭武が見聞きした景色や情報、ときに感想が記されます。
旅行の目的は、視察、内国勧業博覧会の見学、狩り、釣り、墓参、寺社参詣、湯治、避暑、海水浴など多岐にわたっています。また、海外には万国博覧会への参加、留学などの目的で赴きました。移動手段も徒歩や乗馬、鉄道、船、人力車、馬車など様々です。ときに自転車を持参して、サイクリングを楽しむこともありました。
本章では、徳川昭武の日記と現地で撮影・購入した写真から、1867パリ(フランス)、1876フィラデルフィア(アメリカ)の両万博への参加と、明治3年(1870)の北海道開拓視察、明治7年(1874)の日光・四万・伊香保・富岡旅行をご紹介します。
昭武のユーモアあふれる感想や日記に描かれた絵画をご堪能ください。
→松戸市
第二章: 京坂地方旅行(京都、大阪、兵庫、奈良、伊勢など)
明治36年(1903)7月14日、徳川昭武は第五回内国勧業博覧会を見学するために2女の政子や2男の武定らとともに大阪へ向け出発しました。新橋から二等列車の一両を貸し切りにして「他人入ラズノ旅行」を楽しみ、夜が更けるのを忘れ「談笑」します。
翌日、名古屋駅に到着し、朝食の弁当を食べ、12時に大阪の梅田駅に到着しました。旅宿は、兵庫県御影町(現神戸市東灘区御影塚町)の酒造家安福又四郎家です。安福家を選んだ理由を昭武は、(1)博覧会のため混雑している大阪を避けたかった、(2)安福家の清酒を購入していた縁があった、(3)海に近く眺望が良いと聞いていた、と述べています。
安福家に着いた昭武は、家屋が清潔で景色が予想に違わずに良く、さらに又四郎とその妻らの待遇が手厚く一つも遺憾がなかった、と日記にしたためました。
以降、昭武は7月29日まで大阪・兵庫・京都・伊勢の名勝や寺社を巡るのです。
→松戸市
住吉神社・堺水族館・京都渡月橋・耳塚・三十三間堂・豊国神社・春日大社・伊勢神宮などを旅してきた昭武公は東京の小梅邸(水戸徳川家本邸)に泊まった後、自転車で戸定邸へ帰ったとありました。この時代どの程度自転車が普及していたのかわかりませんがアクティブな方だったんでしょうね
第三章: 沼津旅行
徳川昭武は、生涯で3度、沼津を訪れました。初訪問は明治38年(1905)8月で、定宿は静浦保養館です。
沼津で昭武は、2男の武定や3女の直子、4女の温子らを連れて、釣りや登山、海水浴などを楽しみました。海水浴について昭武は、午前9時と午後3時に、1時間半ずつ入水するのが良いと述べています。当時の海水浴は、病気療養や健康増進としての目的が主で、行楽としての海水浴は徐々に普及し始めていた段階でした。
また、写真撮影にも興じ、静浦から望んだ富士山の写真などを残しています。明治38年8月19・20日には、富士山に登りました。7合目まで登った昭武は、ここでも写真を撮影しています。富士登山の前には、静浦保養館近くの鷲頭山に「足力試験」のために登っています。
海や山を望める風光明媚な沼津で、昭武はさまざまな娯楽を楽しんだのです。
→松戸市
第四章: 広島大本営
明治27年(1894)、朝鮮を巡って対立を深めていた日本と清は戦争状態に入り、8月1日付けで両国は宣戦を布告しました(日清戦争)。
戦時に設置される天皇直属の最高統帥部である大本営は、9月に東京から広島に移されます。広島が選ばれた理由として、開戦当初から軍事輸送の拠点になっていた点、戦況の変化に迅速に対応するためには戦地に近い方が有利と判断された点などが挙げられます。大本営が置かれた広島には、内閣総理大臣の伊藤博文をはじめ、政府や軍の要人、皇族が結集します。
また、広島には臨時帝国議会仮議事堂が建設され、10月18日から臨時第七帝国議会が開会されました。東京以外で大日本帝国憲法下の帝国議会が開かれた唯一の例です(日本国憲法下の国会も東京以外で開かれたことはありません)。広島は“臨時首都”の様相を呈していたのです。
徳川昭武は、10月21日に広島へ到着、翌日に大本営にて明治天皇に拝謁しました。本章では、昭武も目にした広島大本営と臨時帝国議会仮議事堂をご紹介します。
→松戸市
■ 見逃せない関連イベントも開催!
展示に合わせて、戸定邸を深く知ることができるイベントも企画されています。
- 戸定邸ツアー(要申込)
- 日時:令和8年10月10日(土)10:00〜11:30
- 内容:古写真を見ながら戸定邸を巡ります(一部通常非公開区域の案内あり)。
- ※申し込み方法などは戸定歴史館のホームページをご確認ください。
- ギャラリートーク(申込不要)
- 日時:令和8年11月1日(日)、11月29日(日) 両日とも13:30〜(30分程度)
- 内容:展示室にて、展示の見所を学芸員が解説してくれます。
- ※参加には戸定歴史館入館券が必要です。
■ 施設・アクセス情報
- 場所: 松戸市戸定歴史館(松戸市松戸714-1)
- アクセス: JR・京成松戸駅 東口下車 徒歩約10分
- 入館時間: 午前9時30分〜午後4時30分(午後5時閉館)
- 休館日: 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12月28日から1月4日)
- 入館料(歴史館・戸定邸共通): 一般320円、高大生160円など(※中学生以下・障害者手帳をお持ちの方と同行者1名無料。20名以上の団体・市内在住の70歳以上の方は団体料金適用)
入館料については、歴史館・戸定邸各単体での場合は入館料は異なります。
今回戸定歴史館のみの入館料は個人一般150円・中学生、高校生100円です
詳しくは→松戸市 戸定歴史館施設案内
現在開催されているこの展示は、地元・松戸にいながら明治時代の日本全国を旅する気分を味わえる貴重な機会です。
松戸駅周辺でのランチやカフェ巡りと合わせて、ぜひ「戸定歴史館」へ足を運んでみてはいかがでしょうか?


_page-0001.jpg)