
ここ数年、民間企業では当たり前になりつつある「フレックスタイム制」や「テレワーク」。
「公務員の世界はまだまだ保守的でしょ?」なんて思っていませんか?
実は今、千葉県松戸市がそのイメージを覆す大きな決断を下そうとしています。
2026年2月に入ってきたホットなニュースによると、松戸市は市職員の働き方改革として、「フレックスタイム制」の導入に向けて本格的に動き出しました。実現すれば、千葉県内の市町村では「初」の画期的な取り組みとなります。
「お役所の仕事がフレックスになるって、どういうこと?」
「市民サービスへの影響はないの?」
そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。今回は、松戸市が目指す新しい働き方の詳細と、なぜ今この改革が必要なのか、その深い背景について分かりやすく解説します。
2026年10月スタート予定!松戸市版フレックスタイムの中身
松戸市が導入を目指す制度は、2026年3月定例市議会での可決を経て、2026年10月1日からスタートする予定です。
対象となるのは、病院、消防、教員など一部の職種を除く、原則すべての市職員。その具体的なルールを見てみましょう。
ここがポイント!柔軟な勤務時間設定
- 必ず勤務しなければならない時間(コアタイム):午前10時 ~ 午後3時半
- 自分で自由に出退勤を決められる時間(フレキシブルタイム):
- 【朝】午前7時 ~ 午前10時の間
- 【夕~夜】午後3時半 ~ 午後8時の間
- 勤務時間の総枠:4週間単位などで調整し、平均して「週38時間45分」の勤務時間を維持する。
「週休3日」も現実に!?
この制度の最大の魅力は、日々の始業・終業時間を調整できるだけでなく、「週休3日制」も可能になるという点です。
例えば、月曜から木曜までに少しずつ長く働いて所定の労働時間を満たせば、金曜日を休みにすることも理論上は可能になります。(※業務に支障がない範囲での調整となります)
- 「子供の保育園の送り迎えに合わせて、毎日時間をずらしたい」
- 「資格試験の勉強のために、朝型シフトで集中したい」
- 「金曜日は一日休んで、趣味の活動に充てたい」
これまで「8時30分始業、17時15分終業」という固定的な枠組みの中では難しかった、多様なライフスタイルに合わせた働き方が実現できるようになるのです。
なぜ今、松戸市は「公務員の働き方改革」を急ぐのか?
「安定している」と思われがちな公務員ですが、その内情は決して楽観視できるものではありません。松戸市がこのタイミングで改革に踏み切る背景には、切実な「2つの危機感と狙い」があります。
狙い1:深刻な「人材獲得競争」を勝ち抜くため
少子高齢化による労働人口の減少は、民間企業だけでなく自治体にとっても死活問題です。
特に若い世代は、就職先を選ぶ基準として「給与」だけでなく、「働きやすさ」「ワークライフバランス」を非常に重視する傾向にあります。
「残業が多くて融通が利かない職場」では、優秀な人材は集まりませんし、せっかく採用しても離職してしまいます。松戸隆政市長が危機感を示すように、民間企業や他の自治体との「人材争奪戦」に選ばれる職場になるためには、時代に合わせた柔軟な働き方が不可欠なのです。
狙い2:構造的な「残業(時間外勤務)」の削減
もう一つの大きな狙いは、業務効率化と残業の削減です。
これまでの市役所(特に窓口職場)では、「窓口が開いている時間=職員の勤務時間」という考え方が一般的でした。しかし実際には、窓口を開けるための始業前の準備や、閉庁後の後片付け、事務処理がどうしても発生します。これが恒常的な「時間外勤務(残業)」の温床になっていました。
フレックスタイム制を導入すれば、「朝の準備担当の人は早めに出勤して早めに帰る」「夕方の処理担当の人は遅めに出勤して残業せずに処理を終える」といったシフト調整が可能になります。勤務時間のズレを解消し、メリハリをつけて働くことで、無駄な残業を減らす狙いがあります。
「市民サービス」は大丈夫?気になる懸念点への対策
私たち市民にとって一番気になるのは、「職員が自由な時間に出退勤することで、窓口対応がおろそかにならないか?」という点でしょう。
松戸市もその点は十分に認識しており、対策を講じるとしています。
- コアタイムの設定: 前述の通り、午前10時から午後3時半までは原則全員が勤務する時間帯とし、日中の対応力を維持します。
- 職場ごとのシフト調整: 窓口業務など市民対応が必要な部署では、職員全員がいっせいに遅く出勤したりしないよう、職場内で適切にシフトを組み、サービスレベルを維持するとしています。
- DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進: そもそも窓口に来なくても手続きができるよう、オンライン申請などのデジタル化を並行して進めることで、窓口の混雑緩和と業務効率化を図ります。
単に時間を自由にするだけでなく、こうした運用面の工夫やデジタル化とセットで進めることが成功の鍵と言えそうです。
まとめ:自治体の働き方が変われば、街も変わる
「前例踏襲」が多いとされる行政の世界で、千葉県内の先陣を切ってフレックスタイム導入を決めた松戸市の決断は、非常に大きな意味を持ちます。
働く職員が心身ともに健康で、モチベーション高く働ける環境が整うことは、巡り巡って、より質の高い行政サービス、そして魅力的な街づくりへとつながっていくはずです。
2026年10月から始まる松戸市の新たな挑戦。今後の動向に注目していきましょう


