マルエツ上本郷店が閉店へ。マルエツ・ハローマート事件を覚えているだろうか?

スーパーに行くと「本日特売!牛乳1パック〇〇円!」といったポップに惹かれますよね。私たち消費者にとって毎日の食料品の安売りはとても嬉しいものですが、実は「行き過ぎた安売りは法律違反になる」ということをご存知でしょうか?

今回は、日本の小売業界の歴史に大きな教訓を残した「マルエツ・ハローマート事件(1982年)」について、ブログ形式で分かりやすく解説します!

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発端は千葉県松戸市での「牛乳戦争」

事件が起きたのは1982年(昭和57年)、舞台は千葉県松戸市の上本郷地区でした。

当時、この地区に新装開店した量販店「ハローマート」は、お客さんを呼ぶための目玉商品として牛乳の大幅な値下げを断行しました。当時の相場が1パック190〜210円だったところを、なんと160円で販売し始めたのです。

これに焦ったのが、近隣にあった大手スーパー「マルエツ」です。

マルエツの店舗は当時、売上を立て直すための重要な店舗に位置付けられており、「このままではお客さんが奪われてしまう!」と強い危機感を抱きました。

エスカレートする「赤字覚悟」のチキンレース

マルエツはハローマートに対抗するため、同じように牛乳の値下げに踏み切ります。するとハローマートもさらに値段を下げ……というように、両者の間で激しい価格競争(チキンレース)が勃発してしまいました。

競争は日に日にエスカレートし、最終的にどうなったか?

なんと両社とも、「仕入れ値を大きく下回る大赤字の価格」で牛乳を売り続けるという異常事態に突入してしまったのです。

💡 ここがポイント!

企業努力によるコスト削減での値下げではなく、「赤字を出してでも相手の客を奪う」という力技の競争になってしまっていました。

泣きを見たのは地元の小さな牛乳屋さん

この「牛乳戦争」、消費者からすれば「牛乳が安く買えてラッキー!」と思うかもしれません。しかし、深刻なダメージを受けた人たちがいました。それは、周辺で適正価格で商売をしていた個人の牛乳販売店(牛乳専売店)です。

大手スーパーが原価割れで牛乳をバラまいてしまえば、適正価格で売っている町の小さな牛乳屋さんは太刀打ちできません。次々とお客さんを奪われ、お店の存続に関わる死活問題となってしまいました。

ついに「公正取引委員会」がレッドカード!

この事態を重く見たのが、市場のルールメーカーである公正取引委員会です。

公正取引委員会は、両社の行為が独占禁止法で禁じられている「不当廉売(ふとうれんばい=ダンピング)」に当たると判断し、直ちに違法な安売りをやめるよう排除措置命令(勧告審決)を下しました。

不当廉売(ダンピング)とは?

  • 正当な理由がないのに、商品を仕入れ原価より極端に安く売り続けること。
  • それによって、他のお店(この場合は町の牛乳屋さんなど)の営業を困難にさせてしまう行為。

資本力(お金)のある大企業が、赤字覚悟の安売りでライバルや小さなお店を潰し、その地域を独占してしまうと、最終的には適正な競争がなくなり、巡り巡って消費者が損をすることになります。法律はそれを防ぐためにあるのです。

まとめ:安ければ良いわけではない「適正価格」の重要性

「マルエツ・ハローマート事件」は、小売業界において「大企業が資金力に物を言わせて、原価割れで他店を潰すような安売りをしてはいけない」というルールを明確に示した、歴史的に非常に重要な事件です。

私たち消費者はつい「1円でも安いもの」を求めてしまいがちですが、その裏で誰かが不当に泣きを見ている「異常な安売り」は、長期的に見れば街の多様なお店を減らしてしまうことにも繋がります。

スーパーの特売品を見たとき、「これは企業努力の賜物かな?」と少しだけ想像してみると、毎日のお買い物が少し違った視点で見えるかもしれませんね!

中学校の同級生がハローマートに勤めていたのでこの話を聞いたら、最終的にダイエーの御大I.N本人が来て手打ちとなったと聞いています

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