
松戸市上本郷、前田公園に隣接する場所にある「カンスケ井戸」は、「松戸の湧水」の一つとして知られる、地域住民の生活を支えてきた貴重な湧水地です。
湧水の概要と役割
- 特徴: 台地(上本郷エリア)の山裾から湧き出した水が池を形成しており、「井戸」という名前ですが、実際は湧き水が溜まった湧水池の形態をとっています。現在も水量が豊かです。
- 歴史的役割: かつては、この湧水が飲み水や農業用水として人々の暮らしを支えていました。特に台地の上には川や湧水がなかったため、この井戸の水の重要性は極めて高かったとされています。
井戸坂と暮らしの記憶
カンスケ井戸のすぐ脇には、急な石段が残されており、これは「井戸坂」と呼ばれています。
- 井戸坂の歴史: 昔、人々はこの井戸で水桶に水を汲み、この急な石段を背負って丘の上の集落まで運んでいました。これは当時の生活における大変な苦労を物語っており、井戸坂は当時の生活の記憶を伝える貴重な場所です。
- 周辺: 井戸坂を登った高台には、歴史ある本福寺があります本福寺(松戸市上本郷)歴史と特徴鎌倉時代後期の嘉元元年(1303年)、時宗第二世の他阿上人によって開基されたと伝えられています。当初は千駄堀にありましたが、慶長末期(1596〜1615年)に上本郷に移転しました。時宗の寺院としては、東葛飾地域でも珍しい存在で、松...




千葉県松戸市上本郷2378